EL CAMINO サンティアゴ巡礼の旅 〜セッション1〜

コバヤシヒロタ

からだを整える方向

立体的である私たちのからだは、前後・左右・上下の3つの面で動く。

“体幹が安定” して “からだが整った” 状態であれば、この3つの異なる方向に、安定して動くことができる。

セッション1 〜からだの中心を感じる〜

からだの中心である骨盤。

前後・左右・上下を分ける場所が交差するところが、からだの中心、つまり骨盤だ。

この骨盤に強さと柔らかさを取り戻すことで、からだはバランスを取り戻す。

そのため、セッション1では骨盤周辺の軟らかい組織(筋肉・腱・靭帯など)に働きかける。

 

骨盤力 〜方向性は重さを感じて決まる〜

骨盤は、おなかの中にある内臓を支えている。

質量(重さ)があるものは下へ下へと力が伝わるから、骨盤周辺に不必要な力が入っていると立体的にそれらの重さを感じるのは難しい。

からだの前面には骨がないので、おなかが出て当然なのだが…

私たちの美の意識が邪魔をして、おなかをポヨンとすることが難しい。

こうして外から不必要に強い力で抑え付けられた内臓は、本来あるべきではないところへ収納されてしまう。

こうした理由から、私たちが慣れ親しんだ “腹筋運動” が除外され始めたのだが、まだまだ知らない人が多いのは残念なことだ。

2本の足で歩く人間の骨盤は、上半身の重さを歪みなく、脚に伝える力の中継ポイントの役割を果たす。

地球の重さも、宇宙空間に対してバランスよく掛かっている。

同じように内臓の重さも、骨盤の内側の空間に対してバランスよく掛かることができれば、脚に伝わる力もバランスが良くなる。

人間以外の生き物の多くはおなかがポヨンとしている、最初のセッションで引き出したいからだの力は柔らかくてしなやかな骨盤力だ。

 

からだが快適なポジションを見つけるのをアシストする

セッションでは、骨盤周辺の不必要な力に気づき、緩めることがカギになる。

不必要な力が抜けたことで、からだはふっくらして、骨盤周辺の組織が弾力性を取り戻す。

左:Before 右:After   *赤矢印:変化の大きな部分

Beforeでは垂直な重力に対して、首と頭が前の方へ動き、胸もひしゃげて少し前傾した姿勢になっている。

Afterでは、胸と腕がふっくらとして、頭が後ろの方へ動き、それらが改善されているのが観てとれる。

ハンモックやブランコに乗っていて(バランスを崩した時)からだが傾くことで腕や脚に力が入るのは想像できるのではないだろうか。

重力に対してからだの軸が傾くと、立つことに必要以上の力を使ってしまう。

また、その状態でトレーニングを始めると、軸の傾きがそのままになってしまう。

非日常でのパフォーマンスを上げるためには、日常の “立つ・歩く・座る” のクオリティが大切になる。

あたまの中のからだの地図を更新して、忘れていた骨盤力を取り戻すことができるようになれば、いつでも、どこでも、自動的にからだを快適に動かせるポジションを探せるようになる。

 

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