運動をして健康的に暮らそうというものの…
高齢化というこれからの社会課題を抱えている日本。
その最先端をいく、地方都市。
その地方都市では、運動をする場所もなければ、指導をする人も少ない。
そこで自主的な健康維持活動を必要とされるが、ここで推奨される運動はなんとか体操みたいなものが多いのが現状だ。
トレーニングの現場では、日々情報が更新されているのに、ポスターやDVDでのエクササイズや体操では時間が止まったままだ。
例えば、同じ70歳でも男性・女性が違うだけでも必要とされることは異なる。
さらにこれまで、デスクワークが多かったのか、農作業のように肉体労働が多かったのか、食事はどういったものを食べているのか、これまでの運動習慣はあったのか・なかったのか、怪我はあったのか、手術歴はあるのか・ないのか、既往症はあるのか…
生きている時間が長くなればなるほど、個人個人、からだの差異が大きくなってくる。
本当に健康な生活をと考えるなら、より個別化した運動指導が望ましいのだが、行政が主体ではそこまで個別に対応をするのは難しいのかもしれない。
しかし、個別の運動指導に答えられる場所もなければ、人もいないのが現状である。
運動は与えられるものではなく、運動は創り出すもの
今年度から黒潮町と行う運動教室(の一部 )では、座学の時間を設けることにした。
せっかく自主的に行われる地域での体操など、からだを動かす機会はあるわけだから、からだに対して知識を持つことで、日頃の運動習慣の質を向上させる事を目的にしている。
与えられた動きで、ただ回数をこなすという慣れ親しんだ従来のスタイルで行うのではなく
エクササイズの目的を理解して、腰痛を改善したいならこうした動き、転倒予防にはこの動き…と、からだの機能が改善していくことを感じることができるように、
どうせやるなら、考えながら自らに合せた運動を行うことができるようになってもらいたい。
例えば、ヒップヒンジやランジといったエクササイズは股関節を動かすので、転倒予防や腰痛などに有効なのだが、股関節の位置や、関節の動き方などについて誤解があれば、十分な運動効果は得られないこともある。
そこでまず、動かしていく部位の解剖学(筋肉と骨と関節)について学習してもらい、エクササイズを通して、どのようにからだを動かすのか、どこに変化を感じるのかについて、体験してもらう機会を設定した。
新しい試みなので、参加する方々にどのぐらい浸透していくかは未知数だが、
2019年3月には、からだがどのように変化しているのか楽しみだ。