開脚ができるようになって思うこと

コバヤシヒロタ

それは私たちは自分のからだについて何も知らないということ。

開脚をするのに必要なことは、柔軟性であることは間違いありません。

しかし、その柔軟性はどのように習得できるかはあまり考えられていない気がします。

中には、柔軟性は生まれつきのものだと考える方もいるかもしれません。

今でこそ開脚ができるようになりましたが、僕はずっとからだが硬いのが悩みでした。

悩みというほどのものではないかもしれませんが、からだに携わる仕事をしているのに…と思われることを気にしていたのです。

そんな僕がなんとなく開脚できるようになろうと思ったのが数年前。

何か特別な練習をしたりすることなく、ゆっくり時間をかけて開脚ができるようになりました。

 

動かしたい部位の構造を知らない

開脚をするために必要だったこと、それはまず股関節の構造を知ることでした。

脚が開く始まりの場所(股関節)が、どのような形をしているかを知ることでスムーズに動かせるようになりました。

股関節は、半球状のものが骨盤にパコッとはまっているんです、知ってましたか?

この結合部は外れると大変なので、硬く互いに引き合う力が強い組織(靭帯)で守られています。

白いものが靭帯です。

その靭帯を取り囲むようにいくつもの筋肉が股関節周辺を覆います。

つまり、脚を開こうと股関節をぐるっと滑らせると、それに引っ張られて骨盤や背骨までが連動するということになるのです。

 

関節の役割と正しい動きを知らない

構造が解れば、次に知るべきは関節の役割についてでした。

関節にはいくつかの種類がありますが、関節を跨いで骨と骨をつなぐ筋肉があることで、動きの支点となり力を伝え、力が伝わる角度と方向をコントロールすることができます。

股関節をまたぐ筋肉には、梨状筋・外閉鎖筋・内閉鎖筋・大腿方形筋…と多くの方は聞いたこともない名前が続くのですが、これらの多くはお尻をキュッと締めるときに縮まる筋肉です。

立っているときにお尻をキュッと閉めたほうがヒップアップするという都市伝説が多くの人に信じられているのですが、お尻をキュッとするとそれらの筋肉が縮まって骨盤は後ろに傾きます。

これらの筋肉が縮まり骨盤が後傾していたら、開脚しようにもからだも後方へと傾きます。

つまりいずれかの筋肉が過度に収縮していると、バランスが崩れ、関節は十分に機能を発揮できなくなるのです。

 

からだが同時に動く感覚を知らない

私たちが行なっている筋トレやストレッチは、特定の部位を伸ばしたり縮めたりするのが一般的です。

しかし筋肉は関節を跨いで骨に付着しているので、ある部位を伸ばした場合、隣接する部位も伸びることになります。

当たり前のことですが、からだは筋肉も骨も靭帯も内臓も全てが同時に動きます。

同時に動くということを忘れて、特定の部位だけを孤立させて動かしても、開脚のようにからだ全体の連動が必要な動きはなかなか生まれません。

ストレッチもトレーニングもからだ全体の動きを捉えられるようになると、変化が生まれますし、変化を感じながら動くことで、より動きが全体へと広がりスムーズなからだの連動を生み出すことができます。

 

重力に対して…

「立つ・歩く・座る」はあらゆる動作の基本となり、全ての動作は重力との関わりなしには語ることができません。

赤ん坊と違い、私たちは当たり前のように立つことができ、歩くことができ、座ることができます。

良いか悪いか、そのことでからだへ意識が向かなくなり、だんだんとからだを不自由にしているのではないでしょうか。

からだで変化を感じることを、改めて捉えてみると良いかも知れません。

開脚もそうですが、こうしたからだに意識を向けられる、そんなワークショップもやりたいなと思います。

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