いちばん大切なのは”基礎”
クライアントから「どのタイミングで上級のレッスンを受ければいいか?」という相談を受けました。
ヨガやピラティス、エアロビクスなど色々なエクササイズがあり、それらは難易度によってクラス分けが行われることがよくあります。
それには初心者が参加しやすいためだとか、運動強度が高い方が達成感が感じられるからだとかさまざまな理由があります。
しかし、もしあなたが
上級のレッスンに参加すること = (私は)基礎がしっかりできている
という考え方で上級のクラスに参加するのであれば、いま一度考えて見てください。
上級のクラスになると、動きは複雑になります。
ヨガやピラティスなど静的な動きが中心になるものは、より”からだの安定”が必要になります。
逆のことを言えば、上級のレッスンになると基本的要素である”からだの安定”が取りにくい要素が増えるということです。
向上心があることは良いことですが、向上心と技術の向上は比例しません。
走る・跳ぶ・投げる・蹴るといった動作は、立つ・歩く・座るがきちんとできて初めてできる動作です。
首が据わったばかりの赤ちゃんがいきなり走ったりしませんよね。
彼らは1年以上という時間をかけて、立つ・歩く・座るを会得し、そこからまた徐々に複雑な動作を身につけます。
つまり初級のレッスンにどれだけ参加していても、日常生活でからだに不調があるようなら、そのエクササイズで体得できる目標をクリアできていないということになります。
自分はどのぐらい基礎ができているのか?を確認するために、ひとつ上のレッスンに参加してみるということなら良いかもしれません。
しかし、これだけの期間やったから、ひとつ上のレッスンにレベルアップできるというガイドラインはありません。
多くの方の場合、エクササイズを通してからだの機能をアップデートするのが目的ではないでしょうか。
動作の複雑さを基準にして、アップデートをするのも達成感が感じられるので否定はしませんが、どれだけ丁寧に、集中して、動作を楽に行えるか、動きの質に焦点を当てて、からだの機能をアップデートすることもまた同じぐらい重要ではないでしょうか。
エクササイズに含まれる動作やポーズにばかり目を向けるのではなく、エクササイズを通して体得できる(からだを安定させる)という本来の目標を見失わないようにしたいものですね。