生きるためにいつまでも元気なからだでいること
僕が暮らす町、高知県黒潮町
ここは南海トラフ大地震が起きた場合、34mの津波が押し寄せると想定されています。
近年、津波避難タワーが町の至るところに建設され、海岸線には避難道が整備されました。
行政ができるサービスは限りがあります。
いざ地震が起きたとしても、からだを動かせないと避難することは難しくなります。
ここは高齢化が進み65歳以上の老齢人口が42%にもなっているので文字通り死活問題です。
もちろん元気な方々ばかりですが、いざという時に頼りになるのは自分しかいません。
いつまでも同じことを同じようにやっててもダメだ!
これまで黒潮町と連携をして、健康への意識を高めるために体操事業を行ってきました。
ロコモティブシンドロームにならないため、黒潮町独自で考案した”ロコクロ体操”です。
CATVでも配信し、地域への集会所へも伺い、すっかりお馴染みの体操となりました。
しかし、お馴染みになってしまっては意味がありません。
必要なのは体操への慣れではなくて、常に新しい運動刺激が私たちには必要なのです。
正直、体操ができたとしても避難に必要な基礎体力が備わるかというと疑問があります。
行政のやり方では同じ事業の継続は難しいようで、体操からの進展がありません。
体操からエクササイズ、そしてトレーニングへ
トレーニングの原理原則として以下のようなことが挙げられます。
漸進性の原理
体力の向上に従って、負荷も徐々に(漸進的に)上げていく必要があるというもの。
可逆性の原理
一定期間トレーニングを実施し効果が得られても、止めてしまうともとに戻ってしまうというもの
トレーニングを行なったところで、すぐさま身体に変化が生まれるわけではありません。
私たちが考えている以上に、ゆっくりと時間がかかるのがトレーニングの成果です。
やってすぐ簡単に成果が出るのなら、甲子園で優勝するのなんて簡単です。
本来、健康づくりなんてものは行政から「やってください、やりましょう!」なんて言われて始めるものではなく、自分から率先して行うものではないでしょうか。
待っていても何も始まらないので、体操からエクササイズ、トレーニングへと
参加してくれる方が、楽しみながら身体が変化するのを実感してもらえるようなエクササイズグループへと進化したいと思います。
くろしお健康エクササイズクラブ始まる
構想から7年、ロコクロ体操が始まり5年。
どうしたら幡多に住む方々にわかりやすく伝えられるか、喜んでもらえるかを常に考えてきました。
色々と考えて考えて考えて、動けなくなりそうにもなりました。
明確な根拠はありませんが、大きな流れがあって、「今が」その時だと思うのです。
地震による津波での人的被害を最小限にというのは大きな目標ですが、それだけではありません。
人口1万人ほどの小さな町かもしれませんが、子どもからお年寄り、
農業 林業 漁業と自然を相手に仕事をしている方、建設作業で肉体労働に従事している方、
オフィスでパソコンとにらめっこしている方、からだが痛むのを我慢して介護をしている方、
子育てでからだが疲れている方、病院が遠くてリハビリに通うのを諦めた方など…
たくさんの人が暮らし、いろいろな生活があります。
この自然豊かな場所で、気持ちよくからだを動かすことで、快適に暮らせるようになること、痛みや不調なく健康的に暮らすためのベース(基礎)を伝えることができれば、それがそのままQOL(生活の質)の向上につながるのではないかと思うのです。
まずは自分の暮らす町から、くろしお健康エクササイズクラブ、ぜひご期待ください。