私たちは翼を持っているのに、動かす方法を忘れてしまった
私たちは二足歩行を始めたことで脳が大きくなり、高度な知能を得た代わりに色々なことを忘れてしまった。
その一つが、私たちにある翼の動かし方である。
動かす方法を忘れたのではなく、固まってしまうことに慣れてしまったという方が正しいだろうか。
私たち人間は、他の動物と違って「目」が前方に付いている。
デスクワークをはじめ、私たちの多くの動作(作業)が前方で行われるようになったのはそのせいだ。
もちろん悪いことばかりではないが、本来動くべき箇所が動かなくなると調和が崩れる。
調和が保たれているときは何も感じることはないが、一度調和が乱れると「痛み」や「不和」としてからだに何かしらの兆しが現れる。
からだへの意識について
ブログにも度々登場するこの気持ち悪い人の模型は、カナダ人外科医のペンフィールド氏が脳を電気で刺激し、運動野や体性感覚野と体部位との対応関係をまとめたのがものである。
この模型からも、私たちの意識の多くが視覚・嗅覚・聴覚・味覚の集まる「顔」と触覚があり操作性の高い「手」に集中していることがわかる。
これらは高い作業能力と、生存のための情報を得るためのもので、
一般的には、胴体部分や後方など目に見えない部分の意識はほぼないということがわかる。
背中の筋肉の動き
背中の筋肉といっても漠然としているが、鳥が羽ばたく動作をイメージして次の動画を見てみよう!
筋肉が伸びたり、縮んだりしながら肩甲骨が動いている。
動いているのは肩甲骨だけではなく、鎖骨や腕の骨も動いているのが分かる。
分かるけれども、自分のからだでこの動きと重ねることができる人は少ないのではないだろうか。
背骨を伝わる力
肩甲骨は骨盤と連動する。
肩甲骨が動かなれけば(或いは動きが小さければ)、骨盤へと伝わる力も弱まる。
力の伝達には可逆性(作用と反作用)が伴うので、骨盤の動きがなければ肩甲骨も動かない。
良い姿勢、悪い姿勢、どちらでも私たちは生活することはできるが、
腕が翼になった時に気持ちよく羽ばたくことができるのは背骨が自然なアーチを保ち、
骨盤と肩甲骨がスムーズに連動している方に違いない。
見えないエリアだけに身体感覚の高さ(鋭さ)が問われるが、
まずは自分のからだが「どのように動くか、どれぐらい動かせるのか?」から知ることから始めよう。