数字ばかり見て大切なことを見落とさないように

コバヤシヒロタ

こんな質問をいただきました。

 

身体的な効果測定(体重測定やBMI測定)を実施するためには、
運動前・運動後で実施しても、あまり意味はなかったですよね?

体重やBMIなどは、客観的な数値ですから評価の際には役立ちます。

ただし、数値を比較する条件が整った場合に限定されます。

運動前後での計測データを比較することについて

質問では、運動前後での計測とありました。

運動前後での体重計測の意味がないわけではありませんが、それを元に何を数値化して比較するかが大切です。

ただ、体重の増減を計測するのなら意味はあるでしょう。

しかし体脂肪率やBMIなど、体重を基本として得られる数値だと意味は薄れてきます。

運動前後での計測・比較は信憑性が薄い

運動をしているので、汗をかいた分だけ体重は減ることが予想されます。

しかし、ここで減ったのは減らしたい体脂肪率ではなく体水分量です。

現在、市販されている多くの体重体脂肪計は微弱電流を流すことにより電気抵抗を計測し、統計を元に体脂肪率を計測しています。

体水分が減るということは、電気抵抗が増えるということですから、電気を通すことのない脂肪が高い割合で計測されることを意味します。

BMI(体重を身長の二乗で割ることで求められる)についても同様です。

体重が減少しているので、多少の変化が見られますが、下に示す通り体重が1kg減ったとしてもBMIでの変化は非常に小さなものになります。

体重kg ÷ (身長m)2=BMI
運動 60kg ÷  (1.5 ×1.5) = 26.67
運動 59kg ÷  (1.5 ×1.5) = 26.22

つまり運動前後での体重以外のデータを計測し比較しようとした場合は、条件が異なりすぎるので信憑性が薄れてしまうのです。

 

モチベーションを維持するためなら◎

また水分を摂取ることで、プラスマイナスゼロということもありますし、経口摂取した場合胃の中に留まるなどして、速やかに体に浸み渡らないことが考えられます。

そうした場合、体重・体脂肪ともに微増という、望まない結果になることもあります。

ただ、体重を計測して減ったことに満足をして、これからの運動に意欲を持っていただけるなら効果はあると考えて良いと思いますし、

そうした変化がある旨を伝えて、運動による体脂肪燃焼効果にはさほど即効性がないということを知ってもらうには良い試みだとも思います。

 

計測するのにベストなタイミングは?

では理想的な計測のタイミングはというと、毎朝おきてすぐだとか、毎晩寝る前だとか、ほぼ毎日変化がない条件での計測ができるときです。

時間的なことで考えると、日中活動することで夕方は体水分量が減っていますし、仕事終わりに運動をしたらそれは顕著になります。

また自分自身のからだのリズムがありますから、超短期間での比較はあまり意味をなしません。

できることなら、毎日の記録はつけて自分のからだのリズムや傾向などを知り、短くても週単位での比較を行いながら、2〜3ヶ月での中長期的な比較を行ってください。

 

とはいうものの、僕は数値で評価をすることはオススメしません。

それらは、そもそも平均値でしかないのですから、あくまで参考にしかなりません。

私たちは親をはじめ、衣食住環境も異なります。

個性という言葉が示している通り、私たちのからだは一人一人違うのです。

数値に一喜一憂し、外見で自分を評価することが果たして正しいのか、、、考えてみるのも大事なのではないでしょうか。

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