「音」を繰り出すからだ
私たち人間はさまざまな楽器を奏で、美しい音を生みだすことができます。
が、その美しい音は、からだが強張っていては奏でることはできません。
からだが強張るとは、安定ではなく、固定させようとしている状態で
「在る(be)」状態ではなく、そこにまだ自我がある状態と言い換えることもできるでしょう。
からだを使って表現するのは何もスポーツだけではない
今日のセッションはハングドラム(ハンドパン)の演奏についてでした。
不思議な形の楽器です、オリジナルはどこなのでしょうか…
空間の中で音が共鳴し、優しくそして力強い音があたりに響き渡ります。
まずははじめに普段通りの演奏をしてもらい、からだの使い方を拝見し
からだの動きから改善できる箇所をピックアップし、セッション(施術)を行いました。
変化を感じやすいように、まずは土台の部分(脚元)から。
その後、土台の上に乗っていく上半身、そして首とあたまという順序で統合していきます。
どこからでも、なんでもできますが、まずは全体が機能するよう途切れている部分を繋いでいくイメージで、色々話をしながらセッションは進みます。
今日のセッションでは、ボディワークのイメージについて話をしていたのですが、僕のワークは型に嵌めるのではなく、これまでに作り出した型を取り払い、自分の型に「気づく」ためのもので、
それは、ナメック星の最長老さまが一瞬で眠っていた潜在能力を引き出した”あれ”なんですという話で盛り上がりました。
まだまだ最長老さまの領域には達していませんが、眠っている力を引き出して、その人を輝かせるという部分は十分に感じていただけたと思います。
あらゆる職業の方々とセッションをしてきてわかったこと
それは、からだを知らないと100%のパフォーマンスを発揮できないということ。パフォーマンスはもちろん、ポテンシャルすら引き出すことはできません。
それなのに、からだを知ろうとすることなく、からだを偽ろうとする。
偽ることで、真実からどんどん離れていく、嘘を嘘で塗り固める必要すら出てきます。
本来ならやる必要のないことを、なぜかわからないけれどもやってしまう。そしてそれを止めることに対する恐れが生まれてくるので、もっともっとのループにはまってしまうわけです。
私たちは生まれながらにして「パーフェクト」な存在です。
腹筋や背筋なんかをせずとも、時が来れば2本の足で立ち、歩くことができます。成長をしてくると、手足を自由に動かし、からだをつかって自己表現をしようとします。
生まれながらにパーフェクトなのに、自分を表現するための手法に「頑張ろう」とか「いいところを見せよう」とか無意識に創り上げられた自我がもたらす何かは必要ないでしょう。
そのために、まず「在る」という「何もしない」感覚を探ることが大切になります。
そのことが、からだを感じることであり、からだに入った無意識の癖を抜くということになるのです。
無意識に入っていた癖が抜けることで、何もしないからだの構造は本来のものに戻っていくのです。
「何もしない=在る」このことから始まると、あらゆる「音」「表現」が変わってくるのです。
赤ちゃんも子供も、あんな小さなからだなのに、大人がびっくりするほどの声を出したり、力を出したりすることを想像してください。
私たちがそれぞれに持っている自然な構造を思い出せば、その表現はもっともっと自由に、そして美しく輝き始めるのです。