構造を正しく保つためのトレーニングを
どうして歳をとったとき、筋力が落ちたように感じるでしょうか。
結論から言えば、構造が崩れてしまったからです。
からだの中心には、軸となる骨格があり、それを覆うように筋肉や皮膚などがあります。
その軸となる骨格の位置が歪んでしまうと、からだにかかる物理の法則により、発揮できる力は弱くなります。
実は、軸となる骨格の位置を歪めることができるのが筋肉なのです。
なかなか衝撃的な事実だとは思いますが事実です。
部位でからだを捉えることをやめる
このことをわかりやすく簡潔に示すと…
腹筋を縮める運動ばかりしていては、腹筋と背筋の張力バランスに誤差が生じてきて、本来あるべきはずの腰椎の湾曲 [背骨のアーチ] が失われてしまうことになるのです。
例として、腹筋と背筋としましたが、これは互いに拮抗する力がある、からだの前後・左右・上下すべての面で起こりうる話ですし、
力はそれぞれに伝わり、全体として張力のバランスを保っているので、一箇所崩れることでそれは連続してバランスを崩すことを示唆します。
ただし、例に挙げたよう腹筋と背筋は実際には存在しませんし、前と後ろのバランスのように単純なものではありません。
物理の法則がからだに及ぼす影響
このように骨格に変化をもたらすことができるのは、筋肉の収縮です。
収縮と言っても一時的なものではなく、無意識下でからだに染み付いた習慣的動作(姿勢)です。
筋肉の収縮だけなら、収縮を緩めることで元に戻ることができるかもしれませんが
無意識下で収縮が続いていると、そこには重力(引力)が加わり、
自分では収縮していない状態を思い出すことができないほどにロックされてしまいます。
そのことによって、腰が膝が肩が…からだのあちこちに不調を感じるようになるのです。
構造を正しく保つために必要なこと
それは間違いなくからだを動かすことでしょう。
次に、動かしたからだをしっかりとケアすること。
好きな車(バイクでも自転車でも…)に長く乗るためには、定期的なメンテナンスはもちろん、その車でしっかり走ることが大切です。
そのためには自分がなんとなく気の向いた時に、適当にいじるのではなく
しっかりと知識を持って、持っていなければ専門の人に尋ねて、意識的にいる必要があります。
私たちのからだは死ぬまで部品交換ができません。
であれば運転する人の責任はとても大きなものになるでしょう。
次回、自分のからだを実際に動かすイメージと、それに必要な知識を紹介します。