ひとの身体の作りはシンプルなシステム(張力ネットワーク)だが、構造はとても複雑だ。
自然物は水分を高く含み細かい捻れや反発といった動きができる有機的なもの。
それに対して人工物はメタル感むき出しの無機質なもの。
組織の一部(個人)になるのか、組織になるのかはどう動くのかを決定づける。
この写真の場合、ひざ関節は人工的なものに置き換えられている。
大腿骨・半月板・膝蓋骨があらわになっているが、非常に単純な構造で出来ていることに改めて驚いてもらえたらと思う。
組織として動くのなら和を持って行動することが望ましいが、自由を望む場合は独立的でいることができる。
有機的なからだの中に突如現れたのは、人工関節。
和が保たれていた状態に無機質なものが入ってくると、初めは動きに戸惑うこともあるだろう。
人工関節それだけを見ると無機質で独立した組織として機能するかもしれないけれど、こうしてからだに馴染むまで時間が経過すれば、ひょっとしたら組織として全体性を帯びた動きができるようになるのかもしれない。

わかりやすい物理学・量子力学の世界の話として、粒子と波を例に挙げよう。
この場合、物質を構成する「最小限の単位」として粒子が、物質の特性としての「状態」になる。
感覚がからだを認識している以上、からだという状態は存在する。
同時に、各細胞>分子>原子>素粒子としても物質は存在する。
ふたつの異なる事実が同時に存在するということは、両方の特性をもった現実が存在するということ。
どちらも細部に意識を向けることができれば、高いパフォーマンスは発揮できる。
それはどちらもじぶんのからだなのだから。


