先日、宿毛市の少年野球チームで体幹トレーニングを行いました。
体幹トレーニングというのがなかなか難しい。
それもそのはず、ぱっと見が簡単そうだから細かい所に注意が向かないんです。
そして、ポーズができたら体幹トレーニングができていると思って慢心してしまったり?
だけど、仮にこのポーズができたとしても日常のいつどこで役に立つんでしょうか。
当たり前のことですが、そもそも体幹がわかっていないとトレーニングすらできません。
そこで体幹ってなんだ?!ということを疑問に思ってもらったところでトレーニング開始です。
こんなことで体幹トレーニングになるのか?!いや、なるわけがない!!もっとタフできつくてしんどいのが体幹トレーニングだ!!そうだ!きっとそうだ!!と思う方もいるかもしれません。
しかし、体幹を支えるのに外からからだを縮めて安定しますか??
体幹トレーニングなのに子どもたちは楽しくなっちゃって大変でしたが、体幹トレーニングを終えた投球フォームの変化がこちらです。
あなたはトレーニングの前後がわかりますか??
正解は最後にして、解説をしていきましょう。
ボールを遠くへ楽に投げることが目的なので、からだを安定させた状態で体重移動を素早く行うことができれば、ボールにうまく力を伝えることができます。
この場合、後ろ脚(右脚)から前脚(左脚)に体重が移動し、さらにそこより遠くへ右手が移動することがポイントです。
左は一見滑らかな動きに見えますが、ボールに力を伝えられているかというと軸足の右脚がお尻まで棒のようにまっすぐになっていることで、臀部と大腿部にある股関節をロックしていることがわかります。
一方で、右側は投球動作の時に股関節から上、臀部がグッとスライドして関節(テコ)が働いているのがわかります。また振り上げた左脚も高くスムースに引き上げられているので、この脚を踏み込むことで投球時の加速が増し、より右腕を振り抜く速度が上がりボールへと伝わる力が増します。
例えていうなら井戸の滑車のような存在なので、テコが働く箇所が多ければ多いほど、力は少なくて済みます。
またからだは立体的で、容積を保ったものが空間を移動します。
パウダービーズでできた人型がもし歩けたとしたら、全ての粒が同時に動いている感じというと伝わりやすいでしょうか。
つまり、右側の方が、十分に余力を残した状態で投げているので、動きがコンパクトになっており、右脚の股関節のテコが働いたことで、脚の振り下げなどが効率よく行うことができ、腕を振る速度が早くなった。結果として、投球フォームがコンパクトでも十分な力がボールへ伝わり楽をして良い結果が得られるようになりました。
体幹トレーニングというと、からだを硬くしてぎゅっと外側からからだを硬くするトレーニングをイメージをしませんか?軸という言葉も同じで、決して曲がることのない硬い棒のようなものを想起することが多いのではないかと思います。
体幹は硬くして固めるのではなく、安定させて自由にさせてあげるべきなのです。
全力疾走をする時に、お腹をぎゅっと固めて走っても走りづらいですよね。お腹を固めることでお腹の周囲にある股関節の動きが悪くなるからです。
筋肉は骨にくっついているので、硬くすればするほど骨と骨の距離が縮まり締めすぎた金具のように動きが悪くなります。四十肩や五十肩(英名: frozen shoulder)などは顕著な例です。
体幹トレーニングというのは、脚が木の根のように地面をしっかり捉え、枝葉に当たる両手や頭は自由に動かせるように、根と枝葉をつなぐ幹に当たる胴体は安定して力を伝えられる位置を保持することができ、呼吸や会話もいつもと変わらず行うようになるために、わざと不安定な状況下でカラダをコントロールするトレーニングのことです。
不安定な状況でトレーニングをしたからこそ、平なグラウンドでの重心の移動が安定してできるようになったということです。
ということで、正解は左・トレーニング前、右・トレーニング後 でした。
明確な根拠を持って正解した方、いい観察眼を持ってますね😁