知識がないから、非科学的なことも信じてしまう。

コバヤシヒロタ

全体で動いている人のからだ

からだは考えなくても全部が同時に動いていますよね。

あたりまえの事のように思うかもしれませんが、実は全く理解できていないかもしれません。

例えば、腰が痛くてからだに不調を感じている場合。

ひと昔前は、病院で検査をすると椎間板が少し潰れているのが見えると、あるいは見えなくても「腹筋と背筋のバランスが悪いね、筋トレをして筋力をアップしてね」なんてことが言われていたかと思います。

そして腹筋と背筋のトレーニングをする。

しかし時代とともに常識も変化し、今では私たちがよく知る腹筋運動は不適切だということでプランクなど他のエクササイズにシフトしていっています。

もし、今も先と同じようなことをいうお医者さんがいたら驚きですが、多分状況は変わってないでしょうし、腹筋と背筋を行なっている人は多いでしょう。

 

からだが動くということは、からだの中も外も全てが同時に空間を移動するということ

人のからだの中には、このように臓器が収まっていて

それを覆うように腹膜があり腹横筋があり腹斜筋があり…

そしてそれらを連続的に覆っている筋膜という組織の伸張性バランスが働くことで、からだは内臓を有する空間で連動しているのに、腰痛の原因が腹筋と背筋のバランスというのは非科学的過ぎではないですか。

確かに、お医者さんは診断をすること、つまり病名をつけることが許されています。

しかし、からだの組成も暮らしも年齢も性別も傷病歴も異なる「腰が痛い」という症状の人を、仮に「椎間板ヘルニア」だと診断して、全ての人に腹筋と背筋のバランスが悪いからというのは、常識的に考えて「本当に?!」と思いませんか。

百歩譲ってその診断を受け止めたとしても、診断をしたお医者さんの専門は医学であり、運動指導が専門ではありません。

 

痛い理由はさまざま、痛みを感じる瞬間のからだの連動が上手くいってないのでは?

からだの中も外も全てが同時に空間を移動するというのは、抽象的な表現で伝わりにくいかもしれませんが

全てが動いている時に、どこかが引っかかってしまって起きている痛みだとしたら。

その引っ掛かりを感じている箇所が、伸張性バランスで機能している筋膜だとしたら。

その周辺の筋肉や骨が、慢性的に上手く連動していないからかもしれませんよね。

信じることは良いことですが、事実を捻じ曲げて信じようとしたり、事実を知ろうともせず信じようとしたりすれば、結果は人任せになってしまいませんか。

 

知識がないから、非科学的なことも信じてしまうとしたら

知識は与えられるものではなく、自ら求めるものです。

与えられたものはただの情報に過ぎません。

また知識は、持っているだけでは役に立ちません。

持っている知識を使って、筋道を立て、論理的に考えることで始めて、自分が直面した問題を解決するのに役立つのです。

専門的ではないことはついつい、そうなのか…と思ってしまうかもしれません。

そのことで、ネガティブになってしまって正しい判断ができなくなるかもしれません。

全ての知識を自分が持つ必要もありません。

餅は餅屋なんです。

なので腰痛(からだのこと)に限らず、自分が分からないことや、分かったつもりに思っていることは、一度でも二度でも自分が納得のいく説明をしてくれる専門家に聞くのが良いのではないでしょうか。

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