何歳になってもからだは良くなります!!
この日、ご紹介で来てくださったのは90代の女性
10年ほど前に転倒してから、常時、脚に痺れがあって
歩行はもちろん、日常生活で杖を手放すのが難しくなっていました。
一見すると姿勢も良く、歩行が困難な様子は伺えません。

左:ビフォー 右:アフター
しかし、ワークを終えて、改めて姿勢を比較してみると違いが明確になりました。
正面からみると、施術後の方がからだがふっくらとした印象になり、
デコルテが開いたことで、後方にあった重心も前方へと移ったことがわかります。
また、左右の足の重心もより均等になった様子が見て取ることができます。
からだは外部からの刺激に対して反応する
セッション中、からだを触れていると「あぁ、正常だと思っていたのにこんなに凝り固まっていたのか」とたびたび仰られていました。
脳は、からだに触れられることで、快適なからだの位置へのフィードバックを受け取ります。
からだで感じたことに対して、リアクションをし続けて私たちは安定して立っているのです。
ひとは、加齢と共にからだに対する負荷をかけないように、安全に安全に過ごす傾向があります。
もちろん、そのことは正解でも不正解でもありません。
ただ、からだにかかる負荷が小さくなればなるほど、からだが起こす反応も小さくなります。
重いものを持てば、からだは大きな力を出します。
大きな力を出そうとすると、より足元が安定していないと十分な力を発揮できません。
ちなみに、雪道でスタックした場合、タイヤの空気圧を少し抜くことで局面を打開することができるのですが、
これは、タイヤの空気圧を減らすことで地面との摩擦抵抗をより得られることができるからです。
加齢ともにからだへの負荷を減らすということは、地面へと伝える力(体重×加速度)を減らすということになります。
加齢とともに動きが少なくなったなら、からだへの負荷は増やし、関節もうまく使いながら地面へと伝わる力を大きくしてあげる必要があるということです。
からだは想像以上に繊細で巧妙なつくりをしている
重さに対しての耐性をつけるのではなく、重さに対していかに楽に動くかを感じ・考えながら動くのです。
そのためには自らの足でしっかりと大地を踏みしめている必要がありますし、
不安定な足元でも、からだ(強いては頭部)を安定させて立つことができる必要があります。
高齢者を対象とした運動指導に限らず、僕がいつも言っていることですが
からだにかかる負荷に対して、いくつもの動きの選択肢を備えることができるだけの知恵を身につけてください。
知恵というのは、こうなった時はこうするという一問一答のようなマニュアル的なものではありません。
いくつもの情報から、その場面に合わせた最適な解を導き出すことを言います。
そのためには「自分のからだがどう在りたいのか」を知ることから始めたほうが良いでしょう。
その上で、自分のからだの癖(行動・思考)に気づき、その癖を正すための処方を、自らの意思で行うことが必要になってきます。
いくつになってもからだは快方へと向かうことができます。
ただし、それは自分のからだに愛着と責任、そして勇気を持って、どこかで誤ってしまった動作・思考を再プログラミングしようとする覚悟があれば。。。の話です。