お腹を縮めることで不調が作りだされる
「体幹」というと、割れた腹筋がその指数になるように思われていますが…
からだの外側が変化すると、内側も同様に変化するので
お腹をぎゅっと縮ませた状態でいると、その内側にある内臓をぎゅっと圧迫します
圧迫された内臓は、押しつぶされることになり、正しく機能できなくなります
さらに重力がかかることにより、お腹よりうえにあるものの重さが加わります
お腹の内側の空間も、その空間にある消化器系も上から押しつぶされたようになります
腸は消化吸収だけでなく免疫を司る臓器ですから、長期的な視点で考えるとそうしたことにも影響が現れることが予想されます
妊娠中の方は内側のスペースが圧迫されることでお通じが出にくくなりますが、これはわかりやすい例ではないでしょうか
また、お腹(からだの前側)は縮めることができるのですが、からだの後ろ側は、背骨があるので縮めることができず、前後での張力に違いが出てきます
前側は縮み、後ろ側は伸ばされた状態になり、背骨はぐわんと前に被さるようになります
当然、背骨の一番上にある頭も前方へ倒れるので、結果的に背中が引っ張り出されるような姿勢になります
一番上にある頭が前方へ傾いてしまうので、骨盤を後ろに傾けることでバランスをとろうとするので、お腹がぽっこりしてしまう…
そしてさらに腹筋運動をしてお腹に収縮のパターンを記憶させ、腰痛や肩こり、さらには頭痛や股関節や膝の痛みも生み出してしまうのです
重力は骨格に影響を与えていますから
あたまと脚を繋いでいる背骨を伝って、本来あるべきポジションからずれた骨格に重さがのしかかり、痛みそして不調を生み出しているのです
痛みや不調は、筋力が不足しているから起きるのではありません
もちろん全ての場合がそうだとは言いませんが…
自分の重さ(重力)を受けるべき状態にいないこと、あるいは器官が正しく機能をしていないことを知らせるからだからのサイン(兆し)なのです
からだを動かしているのは、骨です
筋肉ではありません
筋肉はからだの中で骨がばらけてしまわないように繋いでいるだけなのです
からだで考えると難しく思うかもしれませんが、同じように空間を内在する構造物の「家」で考えるとわかりやすいのではないでしょうか
家を支えているのは、壁でもなく天井でもなく「柱」ですよね
家を建てるときは、棟上が済んでから内装にかかります
また耐震補強をしようとする場合も、壁を分厚くすることはせず、家の骨組みである柱と梁に対して筋交いを行うことが一般的ではないでしょうか
腹筋を固く縮めることで、からだの機能が正常に動かなくなる
このことからも、腹筋を固くするのが「体幹」トレーニングだというのは、誤った認識だと言えます
では本当の意味での「体幹」とはいったいどういったものなのでしょうか