変形性(膝)関節症
変形性の関節症の多くは、正しく力を伝えることができないことが要因になっている。
変形性膝関節症である方の場合、自由関節である膝に変形が現れるので、
股関節から伝わる質量(重さ)が性格に足の裏に伝わっていないことが原因になる。
基本的に、クライアントによってアプローチ方法が異なってくるが
運動療法でも徒手療法でも、股関節と下腿(膝より下の部位)そして背骨へのアプローチが考えられる。
決して太腿にアプローチはしない。
またコンドロイチンなどのサプリメントにも頼らない。
必要なのは、からだの中での重力への正しい適応である。
股関節の機能を邪魔するやつ
深層外旋六筋は、股関節の外旋(つま先を外へねじり開く動き)をコントロールする筋肉群の総称で、大腿方形筋(だいたいほうけいきん)、梨状筋(りじょうきん)、内閉鎖筋(ないへいさきん)、外閉鎖筋(がいへいさきん)、上双子筋(じょうそうしきん)、下双子筋(かそうしきん)という名前も聞いたことがない筋肉のことをいう。
わかりやすく言うと、
学校で習った「気をつけ」の姿勢をとったときに、ぎゅっと硬くなる部分だ。
名前も聞いたことがなければ、場所もわかるはずがなく、場所がわからないから動かし方もイメージできない。
違った方向から捉えると、動かし方を知らない=固まった筋肉ということになり
良い姿勢を取ろうと四六時中、ぎゅっと力を入れて固めていた筋肉ということになる。
お尻は外から固めてもいびつな形になってしまうので、外からではなく、内側から膨らませることでお尻はきれいな曲線を描けるのを想像すると、股関節の正しいポジションが解りやすいかもしれない。
つまり「お尻」をどう捉えるかで、股関節より下の脚の捉え方が変わってくるということになる。
深層外旋六筋への徒手療法(セラピー)と運動療法(エクササイズ)
股関節の機能を正常化するためには、2つの方法がある。
ひとつは徒手(カイロプラクティックやマッサージなどのように手を使う技術)によるアプローチで
からだの地図の新しいエリアを覚えるような感覚で、部位と動きをからだでしっかり感じてもらうことが目的になる
もうひとつが運動によるアプローチで
正しい動作を習得するために反復してエクササイズを行い、からだを新しい動き方に適応させることが目的になる
これまで動いてなかった(動かせていなかった)からだに気づきを持つことと、その気づきを継続させるため、意識的にからだを動すこと。
からだは徐々に変わっていったのなら、良くなるのにも相当の時間がかかる。
そのために必要なのは、病院に行くことでも、サプリを飲むことでも、がむしゃらにトレーニングをすることでもなく、
時間をかけて、からだを理解し、新しいことを学びながら、真剣にからだと向き合うことではないだろうか。