からだの記憶を書き換える

コバヤシヒロタ

1gでからだは変わる

はじめてピアスをつけた時、なんだか耳が引っ張られるなぁと思った経験はありませんか?

 

たかが数グラムでも、からだはその重さを感じて反応します。

 

だけど、それに慣れてしまうと、はじめに感じた反応(変化)を忘れてしまうのです。

 

忘れてしまうというより、からだが先回りして備えてしまうといった方が正しいかもしれませんね。

 

ピアスに限らず、髪の毛が肌に触れたり、足で小石を踏んだり、

 

ささいなことでもからだは “違い” を感じて反応します。

 

恒常性を求めるからだ

 

以前、からだの恒常性ということについてのエントリーを書きましたが

 

「違和感」というのは、からだの在るべきポジション、在るべき状態と比較して感じるものです。

 

その在るべき状態というのは、私たちが思う

 

腹筋が6つに割れているとか、モデルのように歩くとか、そんなことじゃないんですよね。

 

もっと本能的で、もともとからだに備わっている感覚なんです。

 

感覚は書き換えられる

学校に通うようになり「気をつけ」を習い、その姿勢が「まっすぐ」だと思うまで、正しく立てていたんですよね。

 

それが習慣的になり、いつしか「まっすぐ」というのが「気をつけ」にすり替わってしまい

 

そこからなし崩しに、からだが持っている身体感覚が書き換えられてしまったのです。

 

「気をつけ」の姿勢をとるとき、お尻にぎゅっと力が入ってしまいませんか?

 

そんなにお尻に力を入れて立っている生き物は、おそらく私たちだけではないでしょうか。

 

本当は1グラムの重さ、1ミリの厚みでも感じられる身体感覚を持ち合わせていたのに

 

いつしか「こうでなければならない」とか「こうありたい」という自分本位な考えから、本来「在るべき姿」から遠ざかって、その感覚を忘れてしまったのです。

 

忘れていた感覚を呼び起こす

しかし、頭では忘れてしまったものの、からだの感覚としては記憶の奥底では覚えているのが「本能」であり、備わっている身体感覚です。

 

私たちは、目に見えるものや存在感の大きいものには敏感に反応することができるのに

 

目に見えないものや、存在感の小さなもの(特に小さな数で表されるもの)はあまり敏感に反応することがありません。

 

しかし、その小さな存在や、目で捉えることができないものこそ、私たちのからだ(脳神経系)が無意識下で処理をしている重要な情報だったりするのです。

 

思考を変える

100キロの重さをあげることもすごいですが、1グラムの重さを正確に伝えることも同じようにすごいわけです。

 

ついつい100キロの重さをあげることができる筋肉に目がいってしまうかもしれませんが、

 

1グラムを感じることができなければ、同じように100キロの重さも感じることができないでしょう。

 

そもそも100キロの重さをあげる機会なんて、普通に暮らしていたらありませんけど、1グラムに表される小さなことができなければ、その先のことはできないのです。

 

トレーニングというとなんだか重い方がやった気にはなりますが、

 

(1グラムよりは大きな力ですが)輪ゴムが締める力を使って、無意識下にある身体感覚を呼び起こすことに挑戦してみてください。

1グラム、輪ゴムひとつで、からだは変わります。

 

自分のからだへの意識ひとつで、からだはどんどん快適なものに変化するのを感じてみてください。

 

赤ん坊がからだの自由度を獲得するように、その(忘れていた)感覚に慣れ、さらに磨きをかけて自分のものにしてください。

 

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